今回のバイオサイエンスグランプリへとエントリーしたチームの多くが、大学や研究機関の研究成果をもとにしている。が、一般にバイオ・ヘルスケアの事業化は難しいとされる。難しいという理由は1つの知財・特許のインパクトが強く、成功も失敗も知財に大きく左右されることがある。ほかに、臨床試験など販売に至るまでの時間が長いこと、事業化までに必要な資金が大きいということが挙げられる。
そこで、シーズ段階にたつグランプリ出場者たちが考えなくてはいけないことはなにか。株式会社ユーグレナ研究開発部長鈴木氏による基調講演のなかに示唆が含まれていた。それは、研究シーズを産業化するまでの3つのアクション「イマジネーション」「ミッション設定」「メッセージ発信」だ。産業として想像できないものは実現のしようがない(イマジネーション)。また、目標(ミッション)を立てなければ合理的に動くことはできない。そして、研究は一人ではできないからこその「メッセージ発信」が重要になる。これを実践してきたユーグレナ社が、追いかけるべき先輩として見えていると創業者たちも迷いをなくせる。とても力づけられる基調講演だった。
なるべく具体的にイマジネーションし、なるべく定量的にミッション設定し、なるべくシンプルにメッセージ発信を行う。3つを適切に行って、世の中から経営資源を獲得する。経営資源とは人、モノ、金、情報のことだ。これらを揃えることで、開発を進められる。Tech Planterではこれらを支援して、より多くのテクノロジースタートアップを支援していきたい。