なぜテックプランターを始めたのか?理由は、ものづくり系を対象とした起業支援環境が乏しかったかったから
テックプランターを開始する2013年から先立つこと5年前、リバネスでは、2008年から、大学院生や高校生をシリコンバレーに連れいてく海外研修プログラムを実施してきました。日系企業のアメリカ法人や、ヤフー、Intelといった大手現地法人、そして当時未上場であったFacebookやEvernoteなどのベンチャー、スタンフォード大学やUCバークレーといった現地の大学を訪問し、人的ネットワークがどのように機能しているか知りました。その中でPlug and Play Tech Centerというインキュベーション施設の仕組みを知る機会がありました。そこで、シリコンバレーでもIT以外の大学発等の技術シーズを対象としたベンチャー支援の仕組みには未成熟な部分が多いと気づきました。そこで、IT系で成立しているような起業家が起業家を支援するサイクルを、ものづくりやバイオ、農業の分野で立ち上げられないか、と考えました。
組織の壁を超え、百面相的に活動するプレーヤーが必要ではないか
ベンチャーが生まれ、成長するためには、大学や技術連携窓口のほか、大企業やベンチャーキャピタル、金融機関など重要なプレーヤーが外にいるだけでなく、地方自治体や中央省庁も我が国のイノベーション活性化のために頭を使っています。こういった動きを見渡し、ベンチャーファーストな行動と理論をつくることができれば事業として成立するだろう、と考えました。
ベンチャー活性化と同時に、町工場の新規事業を生み出すことができないか
日本には優れた製造業を支えた町工場がいる、とされてきましたが、リバネスでは、2013年に東京都墨田区の区内製造業の成長可能性を調べる目的で「産業基礎力再生基礎調査」の調査業務を受託し、企業台帳に掲載された3,551社の全数調査を実施しました。この過程を通じ、町工場が新規事業の創出に向かわない理由として「新規事業という発想がない」(51.2%)、「アイデア不足」(15.5%)という問題意識を把握することができました。新しいことをやりたいベンチャー企業に、経験豊かな町工場をぶつけることで、互いにないものを補い合うことができるのでは、と考えました。
ユーグレナの成功則は、再現可能なものなのか
テックプランターを全社での事業として取り組む前から、リバネスの代表取締役の丸幸弘はベンチャー企業への相談を私的に行ってきました。特に、丸が技術顧問を務めるユーグレナ社が2012年12月にマザーズ上場、2014年12月に東証一部への変更を経験しました。これに至る過程でユーグレナは度々経営上困難な状況を迎え、それを乗り越えてきた経験を持っています。この課題意識を次の世代のベンチャーに伝えるべきでは、という課題意識が生まれたのと、それを知りたいとリバネスの他のメンバー(篠澤、長谷川、齋藤、武田)が思い事業化したいという背景があり、リバネスの新規事業として始まりました。